よしふじ内科

診療時間 9:00-11:30、16:00-19:00 (平日・土日)※土曜日9:00-11:30 0721-55-3522
肛門外科

肛門外科Proctology

当院の肛門科診療

大事なおしりのことだから、相談しにくいことを相談してください。私は近畿大学医学部附属病院の消化器外科・肛門外科で25年の外科手術を行ってきましたが、恥ずかしさから受診を戸惑い、悪化させてしまう患者様が非常に多いのがおしりの病気でした。
痔になるのは男性が多いと思われるかもしれませんが、現在、当医院にて受診される患者様の約70%は女性です。ご自身が気付いておられないだけで、全ての人が痔になる素因を持っており、多くの女性は便秘や出産時に痔が悪化します。痔は決して珍しい病気ではなく、国民の1/3は痔主であり、いつでも誰でも悪化する可能性があります。
肛門は一生、使い続ける必要がある大切な体の一部です。もっと大事にケアをしてあげてください。

当院の肛門科診療

痔は自然には治りません
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痔は自然には治りません

大した痛みがないので長年放置され、むしろ悪化してしまう可能性が高いです。長年痔だと思って放置しており、恥ずかしいけど観念して診察を受けたらガンだったというケースもあるため、痔の自覚症状があるようであれば、早期受診をお勧めいたします。 特に痔瘻は、治療せずにそのまま放置しておくと肛門ガンになることがあります。おしりの痛みが長く続いたり、分泌物が出たら、診察してもらいましょう。鏡でおしりを見てみても、自分では意外とわかりません。

痔の自己診断は危険です
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痔の自己診断は危険です

痔には、いぼ痔、切れ痔、あな痔といったものもあり、三大痔疾患(痔核、裂肛、痔瘻)とされます。しかし、おしりのトラブルには上記以外にも、炎症、感染、腫瘍、加齢に伴う変化など多岐にわたります。疾患ごとに治療法は全く異なるため、恥ずかしいからと市販の軟膏や坐薬により、誤った治療を続けていると、とんでもなく悪化させてしまうことがあります。我慢ができなくなってから来院される患者様が多いですが、痔は早期治療を行えば、お薬を中心とした保存的療法で楽に早く治すことができることがほとんどです。市販薬を使っても特に改善が見られないようなら病院へいきましょう。

排便時に便器が真っ赤になるほど出血したら痔、というのは間違いです
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排便時に便器が真っ赤になるほど出血したら痔、というのは間違いです

排便時に濁りのない鮮やかな色の出血を伴うのは、主に「痔核(いぼ痔)」と「切れ痔(裂肛)」の2つです。一方、大腸がんは、少量の血が断続的に出るのが特徴ですが、直腸がんは肛門に近いため、血便がよくみられます。直腸がん以外でも、潰瘍性大腸炎や虚血性大腸炎など、痔以外で下血がある疾患は数多くあります。 そのため、最も重要なのは、普段とは違う何等かの症状に気づいたら、早めに医師に相談することです。

患者様のプライバシー保護のためのこだわり

患者様のプライバシー保護のためのこだわり

日常生活で怪我をされ、ご家庭では対応しきれないときに診察・治療いたします。例えば下記の通りです。

  • 患者様が恥ずかしくない受診スタイル

    当院では、患者様のプライバシー保護のため、初診時に受付にて、発熱の有無のみ確認するだけで「今日はどうされました?」と尋ねることは決していたしません。 問診票にご相談内容をご記載いただくだけで大丈夫です。 既に何度かご来院いただいた患者様に対しても「いつも通りの診察でいいですか。」とお声かけするだけですので、診察室にてご相談ください。決して「おしり」を出して質問することのないよう徹底しています。

  • おしりの薬をもらうのも恥ずかしくない

    初めてお薬が処方され説明が必要な方(特に女性の方)は、待合室ではなく処置室でお渡しいたします。尚、再診時は待合室でお渡ししています。当院は院内処方であるため、近くの調剤薬局に行っていただく必要もありません。プライバシー保護に徹底的にこだわっておりますので、どうぞ安心してご来院ください。

当院の肛門治療法

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まずは、なるべく手術に頼らない治療をお勧めしています。

まずは、なるべく手術に頼らない治療をお勧めしています。Recommend treatment that does not rely on surgery as much as possible

いぼ痔や切れ痔等のおしりの疾患は、必ずしも手術が必要ではありません。食事を含めた生活習慣や排便のコントロールにて改善する患者様は多数いらっしゃいます。当院では、診察後に患者様とご相談の上、治療方針を決めています。

step02
手術の際は、痛くない治療、できるだけ切らずに治す治療を実践しています。

手術の際は、痛くない治療、
できるだけ切らずに治す治療を実践しています。Surgery preparation

痔の手術では、皮膚や筋肉をできるだけ切らないことが重要です。肛門には便を排出するという大切な役割がありますが、ほかにも繊細で高度な知覚機能があり、それを損ねることで日常生活に様々な不便が起こってしまうためです。 近畿大学付属病院の執刀医として25年以上肛門治療に携わってきましたが、多数の切らない手術も実践してきました。具体的には内痔核に対するALTA療法(ジオン注射)、痔瘻に対するSeton法等です。 進行した痔瘻、いぼ痔、切れ痔等はメスを使うことが必要になる場合もありますが、麻酔の工夫を行い、極力痛みの少ない手術を実践しています。

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すべて日帰り手術です。

すべて日帰り手術です。Discharge on the same day

当院における肛門疾患の治療は、すべて日帰り治療で可能です。手術後は通院にて経過観察・治療していきます。日帰手術を受けた場合、力仕事・ハードワーク以外通常のお仕事が可能です。手術後はできるだけ無理をしないようにしてください。

よくある肛門の病気

痔核(いぼ痔) 痔疾患の中で、もっとも多いのがいぼ痔です。肛門にいぼのような腫れが生じる疾患です。排便時の過度ないきみにより、肛門周囲の血管がうっ血し、それによって痔核が発生するとされています。
肛門の内側にできたものを内痔核、外側にできたものを外痔核と呼び、症状や治療法がかなり変わってきます。女性の妊娠時に悪化することはよく知られていますが、多くの場合は便秘や食生活、行動パターンからくる生活習慣病と考えられます。
いぼ痔のうちの内痔核 いぼ痔の多くを内痔核が占めています。長期的に悩ませるいぼ痔は内痔核が主たる原因であることが多く、重症化することも内痔核のほうが多いです。
排便時の出血を起こすことがあります。かなり大量に出血するので、これによって内痔核があることに気付くケースもありますが、鏡でおしりを見ても自分ではわかりません。
内痔核は、進行すると排便時に痔核が肛門から出てきてしまうようになります。
はじめは自然に中に戻りますが、やがて指で押さないと戻らなくなり、最終的には押しても戻らなくなります。さらに大きくなると、押し戻せない嵌頓痔核となって脱肛したままで大変痛い状態になります。
内痔核の治療は、どの段階にあるかで変わってきます。
飛び出た痔核が自然に戻る段階までであれば、軟膏等の薬物療法、生活習慣改善といった保存療法で治療可能です。嵌頓痔核であれば、手術が検討されます。
外痔核 肛門にイボ痔が急にできて痛い、というのが外痔核です。内痔核と異なり、自分でも気が付きやすい痔です。知覚神経が豊富な表皮できるため、強い痛みを生じやすく、出血は少ない傾向にあります。
外痔核は、ほとんどが薬による保存療法で治療可能です。軟膏や座薬などを用いた薬物療法、排便習慣や生活習慣の改善などが保存療法の主な内容です。
切れ痔(裂肛) 切れ痔(裂肛)とは、肛門が裂けて傷ができている状態です。硬い便が出る時に肛門よりも便が太く、肛門が裂けてしまう状態です。
排便時に便が傷に触れながら通過するため強く痛みますが、出血はペーパーに付く程度で少量です。痔の中では痔核にならんで多い病気といわれています。

初期の裂肛では浅い裂傷のみですが、何度も繰り返し切れていくうちに慢性裂肛となります。慢性化した傷はさらに深くなって、肛門を狭める狭窄を起こし、肛門狭窄(肛門が排便時に十分開かなくなる)になり、日々の排便に支障をきたします。
傷が浅い初期には軟膏や坐薬、そして便を軟らかくする薬の服用などで短期間に改善することがほとんどです。慢性化してしまった場合には手術が検討されます。
痔ろう(穴痔) 直腸と肛門の間あるくぼみに下痢などで便が入ってしまい、細菌感染して化膿する肛門周囲膿瘍が起こります。さらに細菌が組織深くに入り込んで菌の巣穴ともいえるトンネル=瘻孔を形成する病気です。
瘻孔が次第に伸びてゆき、肛門近くの皮膚に穴が空いて貫通すると痔ろうです。瘻孔内にたまった膿が排出されると症状はおさまります。ただし、痔ろうのトンネルは自然にふさがることはなく、直腸から液体が穴を通じて漏れ出して下着を汚すようになります。また、トンネルが複雑に成長してしまうケースもあります。
自然に完治することはまれで、何十年と治らずに癌化する場合もあります。
痔ろうは、手術が必要です。
トンネルの位置、深さ、向きなどにより適切な手法を用いて緻密な手術を行う必要があり、そのための確定診断はかなり難しくなっています。痔瘻治療の大原則は『膿を完全に排出しきること』です。一時的に膿を出しても完治はしません。痔瘻はいったん治ったようにみえても必ず再発して、放置すれば数十年にもわたって繰り返すのはこのためです。痔ろうはクローン病などの併発がないかを確認することも重要になりますので、内視鏡検査が不可欠です。
肛門周囲膿瘍 肛門の周りに膿がたまる状態であり、肛門周囲膿瘍と呼ばれます。肛門周囲膿瘍とは痔ろうの前段階といえます。
一般に浅いところに膿の溜まりができた場合、肛門の周囲にしこりやおできのようなものがあるのを感じます。激しい痛みも感じます。深いところにできた場合は、しこりを感じないことも多く、腰のあたりに鈍い痛みがあり、微熱やだるさを感じます。
肛門周囲膿瘍は痛みが強く、膿が多くなると熱もでますから、切開が必要です。根本的な治療としては、切開して膿を排出することです。切開はどのあたりに膿が溜まっているのかを、視診や触診などで見極め、また深い部分の場合はエコーなどで確認しながら行います。小さな膿の溜まりの場合は、麻酔を使用しないこともありますが、大きい場合は麻酔を行います。