高血圧
「人は血管から老いる」といいますが、高血圧は血管をボロボロにします。
血圧は血液の流れる勢いであり、全身に血を巡らせるのに血管に強い負荷がかかっているのが高血圧です。例えるなら、水をホースで遠く飛ばすために強い負荷が必要であり、ホースがボロボロになりやすい状態です。
自覚症状がなく放置される方もいらっしゃいますが、心臓の血管が悪くなると心筋梗塞、脳の血管が悪くなると脳卒中や認知症、といった様々な重大な病気を発症する確率が高まります。
高血圧の治療は、ダイエットや減塩、禁煙やウォーキング、食事療法を行うことであり、お薬は補助的な役割です。
1度薬を飲み始めたら一生やめられないということではなく、例えばダイエットにより体重が減少すれば、お薬を減らせる可能性が高まります。また、冬の時期は、血管が細くなるため、夏より血圧が10~20mmHgぐらいは上がります。そのため、夏は飲んでいないけれど、冬だけ1錠飲んでいるという患者様もいらっしゃいます。
糖尿病
糖尿病は、血液中にブドウ糖がたくさん存在し、砂糖水のように血液がドロドロ、ネバネバしており、血管内で血液が流れにくくなって、ついには、血管内で詰まってしまいます。高血圧もそうですが、糖尿病も血管をボロボロにします。
太い血管が傷つくと、そこに様々な物質が沈着して隆起(プラーク)ができ、動脈硬化が進むことで、脳梗塞・心筋梗塞・壊疽の原因となります。
また、細い血管が障害されて血流が悪くなると、特に細い血管が集中している目、腎臓、神経障害などが起こる可能性が高まります。
これらの合併症は、糖尿病の可能性がある、あるいは糖尿病と診断されたときから進行し、5~10年くらいで出現すると考えられています。生活習慣を改善し、正しい治療をすれば、普通の人と変わらない生活が送れます。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症(高脂血症)は、血液中に脂質が増える病気です。血液内の中性脂肪が高い場合、コレステロールが高い場合、その両方が高い場合があります。脂質異常症自体には、明らかな症状がありませんが動脈硬化を進行させ、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など脳血管障害や心臓疾患の原因となります。これらの疾患を合わせた死亡率は、がんによるものよりも高くなっています。また、動脈硬化を引き起こす脂質異常症以外の病気(高血圧や糖尿病など)がある場合はさらに治療の必要性が高くなります。
LDLコレステロールには肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ働きがあります。しかし、増えすぎると血管壁にたまり、活性酸素の影響で酸化し過酸化脂質となり血管壁へ入り込みます。そのため血管が細くなり、血栓ができやすくなり、動脈硬化を進行させます。HDLコレステロールには余分なコレステロールを回収し、血管にたまったコレステロールを肝臓に戻す働きがあります。
高脂血症は、遺伝や糖尿病など他の病気から派生するものもありますが、多くは加齢、食事、運動不足の三大原因によります。症状が出ていない時期から、生活習慣の改善・食事療法・運動療法、体の状態により適切な内服薬を選択した薬物療法を行っていく必要があります。
胃腸風邪・感染性胃腸炎
原因として、ウイルス性が圧倒的に多く、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出ます。予防法としては、生のカキや、生の鶏肉、生レバーなどを極力、食べないことです。
また胃腸風邪・感染性胃腸炎の感染力は非常に強く、感染者の嘔吐物や下痢便に触れると、簡単に口を経由して胃腸へ感染してしまいます。お子様が嘔吐されたとき、嘔吐物の始末をする際に感染するリスクが高まりますので、アルコールではなく、次亜塩素酸ソーダ系の漂白剤(ハイターなど)にて嘔吐物の処理・周辺の掃除をしてください。もちろん、マスクを着用し、掃除後は必ず手洗い・うがいをして下さい。タオルも共有利用を止め、清潔に保ちましょう。
一般的には自然治癒しますので、症状が軽いようなら水分摂取を心がけて、安静にして、自然に良くなるのを待ちましょう。少量の水分さえ吐いてしまう状態であれば、脱水症状を引き起こさないために、点滴などの処置を受ける必要がありますし、点滴をしたほうが身体が楽になることが多いです。
骨粗しょう症
骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗しょう症」といい、閉経後の女性に多い疾患です。骨粗しょう症により骨がもろくなると、圧迫骨折や、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあり、日常生活が不便となります。
骨粗しょう症の治療薬は様々なものがあり、個々の患者さんの症状や病気の進行度に応じて、選択肢が増えてきました。最近では、従来の治療薬よりも強力に骨密度増加が期待できる薬や、患者さんが継続しやすいように投与間隔や剤型(薬のかたち)に配慮したものもあります。お気軽に相談ください。
花粉症
花粉症は早めにアレルギー症状を抑えるとシーズンを通して軽く済みます。症状がひどくなると、気管支炎等を発症し、炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるため、花粉が飛散し始める早期に(1月末頃から)内服を始めることが重要です。
花粉症の症状がある方は、アレルギーの原因物質を特定する血液検査を受けていただくと、スギ・ヒノキなど、どの花粉がアレルギーを起こす原因かを知ることもでき、花粉が飛散する前に対策を取っていただきやすくなります。
アレルギー検査
当院では、金属以外のアレルギー検査が可能です。ハウスダスト、食べ物、動物、植物等の何にアレルギーがあるのかを血液検査にて把握することができます。
アレルギー反応は、喘息・長引く咳・発疹・蕁麻疹・胸焼け・嘔吐等、さまざまであるため、原因アレルゲンを特定し、除去・回避(セルフケア)する事が重要になります。当院では一度に39項目のアレルゲンを調べられる血液検査「View39」を実施しています。